記事は去年訪れた時のものです。
長野県に『手長神社』という茶臼山に鎮座した神社があります。

二日後に行われる夕祭の為、提灯が提げられていました。

ここに祀られるのは『手摩乳命(テナヅチノミコト)』。
『八岐大蛇伝説』の物語は恐らく皆さんご存知かと思われますが
手摩乳命は、あの奇稲田姫のお母様なのです。
ご存知の方には説明不要かと思いますが、一応書いておきますと
奇稲田姫(古事記では櫛名田比売)は手摩乳命と足名椎命の間に
生まれた子供。んで、大蛇に食われそうになった奇稲田姫を
スサノオが助け、奇稲田姫とスサノオが結婚をして、その子孫の
六世孫には大国主神が。そして大国主の息子に諏訪の大神である
建御名方神…といった感じになります。

手長神社
御祭神:手摩乳命
-----------------------------
手長神社は中世には下桑原鎮守と知られ、
近世には高嶋の浮城の鬼門鎮護の神と常敬された。古く手長宮と
称し、御祭神は手摩乳命と申しあげる。氏子は手長さまと親しみ、
諏訪大神の曾祖母様と言い伝える。早くも中世には辰野町羽場に
分社が勧請され、崇敬は重厚にして広大。
匠事芸事全般を守護され子育て万物育成に霊験あらたかにして、
奇稲田姫との御神縁から稲を愛される。
神城の手長の森は市天然記念物、拝殿は立川和四郎冨棟作で、
旧本殿と共に市文化財。境内に神氣横溢。
朔祭
夕祭・九月十四日、例祭・九月十五日、二の祭・九月十六日
年造営御柱祭
寅と申の年毎に御柱曳き立て造営を執行。
------------------(境内 御由緒の碑より)
手長神社にあったこの写真は『手長足長』と呼ばれる巨人。
(見たまま、手や脚が異常に長い姿をしている異形の者)
有名な『枕草子』の中には「御所の襖に手長足長の絵が描かれて
いて不気味に見える」という記述があり、秋田・山形・福島では
悪さをする妖怪として、昔ばなしに登場しています。

※彫刻/立川冨昌 作(天保十五年)
しかし妖怪とされているこの巨人は、
諏訪の地方では『手長』が女神で『足長』が男神の夫婦神。
更に御由緒から見て取れるように「手長様=手摩乳命」、
「足長様=足名椎命」なので、この辺りの地方の手長足長は、
妖怪では無く神様として崇められているのです。
周辺には遺跡や古墳群があり、古代より人が住んでいる場所で、
手長様は、諏訪大社に建御名方神が祀られる以前から信仰されて
いた神様だとも言われています。
以下、その他境内社。



手長神社から見える景色も良かったです。
神社から諏訪湖が見えますよ。

★続いては八劔神社へ。
→ http://ajiteiseruna.blog.fc2.com/blog-entry-1307.html
★足長神社にも行きましたよ。
→ http://ajiteiseruna.blog.fc2.com/blog-entry-1309.html
いつも応援ありがとう!
拍手やランキングボタンをポチッとよろしくね♪
![]() にほんブログ村 | ![]() にほんブログ村 | ![]() 人気ブログランキングへ |
いつも勉強になります。
手長神社、とても興味深いです。
手長足長なる巨人は、枕草子に出てくることから、平安時代から知られていた異形の神なのですね。
その手長足長と足名椎、手名椎がつながったいきさつも知りたいところです。
ちなみに本居大人の解釈では、足名椎、手名椎は足撫豆知(あしなでづち)、手撫豆知(てなでづち)の約まった御名で、奇稻田比賣を撫で愛(うつく)しむところからついた御名だそうです。
最近は、「神社人」というSNSでつぶやいています。
my○○と違い、下品な輩がいないので気に入っています・・・というか実態は閑古鳥が鳴いているのですけどねw
お久しぶりのコメントありがとうございます♪
他の地方では妖怪なのに、諏訪では神様だというのが面白いですよね。
「御所 手長足長」で検索をしたら、こんなページが出てきたので、
ついでに貼っておきます♪( ^ω^ )ノ
http://www.kunaicho.go.jp/event/kyotogosho/pdf/shiori7.pdf
そんのうファミリーさん、『神社人』に登録をしているんですね。
私も随分前に登録をしてそこで色々書こうと思ったんですが…
その頃から閑古鳥状態だったので登録だけして放置したまま、
現在に至ります。もっと賑やかな場所なら最高なんですけれどね。
このごろはログインすらしていないなぁ…
>奇稻田比賣を撫で愛(うつく)しむところからついた御名だそうです。
名前から「親の愛情」というものを感じますね。