イケメンでモテモテな神様として知られておりますが、
古事記にはこんな物語がありますよーという事で紹介してみる。
文字だけではつまらないので、数年前に作った古事記の漫画
からちょこっとだけコマを抜き出して貼りますので、
多少は楽しく記事を読む事が出来ると思います。
(ペン入れはしておりません、ゴメンなさい)
さて、今回の記事は『八千矛』。
現代の一般人の価値観ですと「浮気ダメ、ゼッタイ」なのですが
昔は一族繁栄のための「一夫多妻」は当たり前の事でした。
(当然、神様にも奥さんが沢山いたのです)ちなみに『八千矛』
というのは、大国主さんの幾つもあるお名前の内のひとつです。
SERUNA:「今から話す物語はそれはもう官能的な……」
(=゚ω゚)「…えっ…官能……」
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因幡国で兎を助け『八上比売』というお姫様と結婚をしたのち、
スサノオの娘『須勢理毘売(スセリビメ)』との結婚を許された
彼は、更にスセリビメを正妻として迎え入れやってきます。
正妻であるスセリビメの嫉妬が怖かったのか、八上姫は正妻に
遠慮をして、子供を置いて実家へ帰ってしまいました。

ある日、恋多き八千矛(大国主)は、
高志国(越国。現在の北陸地方)に沼奈比売(ヌナカワヒメ。
奴奈川姫)という大変美しいお姫様がいると聞き「結婚したい」
と思い、はるばる越国まで求婚をしに出掛けるのですが、
彼女はなかなかその戸を開いてくれませんでした。
どうしても彼女が恋しい八千矛は、そこで歌を詠んだのです。

「八千矛神は大八洲国(日本)で妻を娶ることができず、
遠い越の国に賢くて麗しい女性がいると聞き求婚をしに出掛け、
求婚をしに通った。太刀の紐も解かず、服もいまだ脱がないうち
乙女が寝ている家の戸を、何度も押しあぐみ私は立っている。
何度も戸を引きあぐみ私は立っている。
青山に鵺が鳴いた。野では雉が騒いでいる。庭にいる鶏が鳴き、
暁を告げ始めた。なんと怨めしく鳴く鳥だろう。
もう恋焦がれて死んでしまいそうだ。あの鳥どもを打ち殺して
鳴き止ませてしまいたい。天を駆ける使いの鳥よ、
このことを語って伝えよう」

それを聞いたヌナカワヒメは、
戸を開けないまま家の中から大国主に歌で返しました。
「八千矛神よ、私は萎え草のようなか弱き女にすぎません。
私の心は浦の渚に住む鳥です。今は私の心のままにしていますが
いつかはあなたの鳥となるのですから、その命だけはどうか
殺さないでいてほしいのです。天を駆ける使いの鳥よ、
このことを語ってお伝えいたします」

さらに彼女は歌います。
「青山に日が沈むと、やがて暗い夜がやってきます。
あなたは朝日のような笑顔を見せておいでになり、
栲綱のような白い腕や、淡雪のような私の若々しき胸を、
そっと撫でたり触れたりして愛し、玉のような私の手を枕にし、
脚をのばして、いつまでもお休みになられる事でしょう。
焦って私に恋い焦がれるとおっしゃらないでください。
八千矛神よ、このことを語ってお伝えいたします」

結局、八千矛(大国主)はこの夜、ヌナカワヒメに会う事が
叶わなかったのですが、次の日の夜に逢って愛し合い、
二人は結ばれる事となるのです。

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(* ´ Д`)「……なんかエロちっくですね」
SERUNA:「でね、この歌で驚くのが大国主さん…歌のはじめに
本当は奥さんがいるのに、“私には奥さんがいないんだ”
くらいのアピールをしているっていうのがもうねw」
(;^ω^)「現代だったら炎上物件ですなw」
大国主さんが奴奈川姫に贈り、
奴奈川姫が大国主さんに返した歌は別の解釈もあるらしい。
おまけとしてこんな漫画を置いておこう。

国を治める者としては領地を広げ、子も増やさねばならない。
ですが、たびたび他の女性の元へ出掛けてゆく大国主さんに対し
正妻であるスセリビメがヤキモチを妬かないワケがない。
そして大国主さんの色男っぷりと、スセリビメのツンデレっぷり
がこれでもかと押し出されるお話がこのあと更に続くのですが…

(=゚ω゚)「本妻さんのプライドってやつかな?」
SERUNA:「次はスセリビメのターンですよ」
★高志の国の奴奈川姫(イラスト付)
→ http://ajiteiseruna.blog.fc2.com/blog-entry-1387.html
★後編に続く!
→ http://ajiteiseruna.blog.fc2.com/blog-entry-1390.html
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