下描きのまま放置中で申し訳ないw
某SNSのフレンドさんは既にこの漫画を目にしている
と思いますが、こちらでも同じように公開。
あっちよりは見易くなってると思う。
ちょっと詳しく説明も入れちゃおうかな。
「日本の物語って面白い♪」
…なんて読んでもらえたら幸いです。
さて、漫画の前に、登場人物についてのお話を。
古事記には『阿遅志貴高日子根命(アジシキタカヒコネノカミ)』
という神が登場します。彼は『大国主命』(出雲大社の御祭神)
と『多紀理毘売命』(須佐之男命の娘で宗像三女神の内の一人)
との間に生まれた男神。そして『下光比売命』のお兄さんです。
高天原を裏切った『天若日子』(妹の夫)によく似ている
美青年で、また彼の友人でもありました。
彼は天若日子が死んだ時に、仲の良かった友として葬儀の場に
出てくるのですが、その時死者に間違えられて怒り、
喪屋を切り伏せて蹴り飛ばしてメチャメチャにするなど
激しい一面を垣間見せるのですけれども…阿遅志貴高日子根命
については出雲国風土記にはこんなお話があります。
※風土記では『阿遅須枳高日子命』と書かれる。
〜三沢郷〜
彼は幼い頃から大人になるまで、朝から晩までまるで赤子の
ように泣き、全く言葉を話せない『おし』の御子でした。
彼の泣き声は凄まじく、何とか泣き止ませようと
母の多紀理毘売命は船に乗ろうと提案をします。彼を船に乗せ
八十島(日本列島)を巡りましたがその努力も虚しく、
御子はいつもと同じように泣くばかりです。
父の大神大穴持命(大国主命)はどうして彼が泣き止まないか、
どうして口がきけないのか、夢占いをする事にしました。
そして夢の中で彼が口をきいているのを見た大神は、
目が覚めてから御子に話せるようになったかを尋ねると…
彼は突然「御沢(ミサワ)」と口にしたのです。

「それはどこの事を言うのだ?」と御子に問うと、
彼は急に立ち上がり、外へ走り出して石の多い浅川を渡り、
向こうの岸の坂の上まで飛んで行き「ここです」と言うので
大神をはじめとし、皆の者を連れて行ってみると、
そこに泉が湧き溢れていました。
喜ぶ大神と母の前で彼は禊をしました。
今まで口もきけず泣き続け、言葉を話せなかった御子は
これでやっとまともな御子になったといいます。
けれども、この事があってからこの土地の女たちは
この村の稲を食べなくなってしまいました。
お腹の子供が生まれて『おし』になるといけない
と恐れたからだそうです。《おしまい》

【ちょっと解説】
名前の『シキ(スキ)』は農具の『鋤』を意味し、農業の神
として崇められています。この神は別名『迦毛大御神』。
本拠地は奈良県の葛城にある『高鴨神社』。
(その他鳥取県の『倭文神社』や福島県の『都々古別神社』
に彼は祀られています)
雷神としての性質を持つ彼は口がきけなかった頃に
八十島を巡ったり高屋に梯子をかけて昇り降りさせられ
育てられたのですが、この行為こそ雷鳴や落雷を連想させる
のだそうです。
古事記では怒りにまかせ喪屋を切り伏せた彼ですが、
その時に使った鋭い剣が、稲妻のエネルギーを連想させる…
なんていうお話もあるそうです。
彼が禊をした泉が、島根県の奥出雲町にあります。
今でも綺麗な水が湧き出しているそうで、
島根の名水百選のうちのひとつとされているようです。
ブログ応援に、ランキングボタンをポチッと
押してもらえたら嬉しい。
![]() にほんブログ村 | ![]() にほんブログ村 | ![]() にほんブログ村 |
- 関連記事
-
- 【漫画】『海から来る神』@古事記(その1) (2014/11/19)
- 【漫画】出雲国風土記より『三沢郷』 (2014/06/06)
- 【漫画】古事記、異世界の○○シリーズw (2014/06/11)