定食屋さんに訪れるような感覚で見てもらえたら嬉しいです。中身は趣味のネタ色々。ヲタクなネタから神社めぐりまでw
2014年07月07日 (月) | 編集 |
日本には、数々の七夕の物語があります。
七夕に登場する『彦星』のモデルとなっている者が存在し、
それは古事記に登場する高天原を裏切った神『天若日子』と言われています。
室町時代の『御伽草子』(短編のお話がいくつも詰め込まれたもの)。
その中には『天稚彦草子』という七夕の物語があり、この物語の『天稚彦』
と呼ばれる人物が彼なのだとか。

今日は七夕。彦星と織姫が年に一度逢える日という事で、
『天稚彦草子』の物語をお話致しましょう。




原文では難しいので、以下、文章が多少前後しますが
大体のストーリーをざっと現代語で…
------------------------------------

天稚彦草子
http://www.j-texts.com/chusei/ame.html

むかしむかしのお話です。
とある村の長者の家に、若くて美しい三人の娘がおりました。
ある日のこと、長者の家の前の川で下女が洗濯物をしていると恐ろしい大蛇が
目の前に姿をあらわし口から手紙を吐き出してこう言ったのです。
「言う事を聞かねば絞め殺す。この手紙を長者に渡せ」
脅された下女は大蛇に言われた通り、長者にその手紙を手渡します。
恐る恐るそれを開いてみると…

「お前たちの娘を嫁に寄越せ。嫁にくれなければ殺してしまうぞ!」

これに驚いた両親が長女に問うと、
「例え父様と母様が殺されようと蛇の嫁になるのは絶対イヤ!」と拒否。
次女に聞いても「私もイヤです」とこれを拒否。残った末娘に泣く泣く問うと、
「父様と母様が殺されてしまうのならば、私が蛇の嫁になります」と了承。
指定された池の前に家を建て、末娘が震えながら待っていると、
轟音と共に大蛇がその姿をあらわしたのです。

「私の姿を見ても恐ろしいと思わないでくれ。
 刀を持っているのならば、どうか私の頭を斬って欲しい」


…言われるままに娘は蛇の頭を斬ります。すると何ということでしょう!
中から出てきたのは美しい男ではないですか。娘は怖かったことなどすっかり
忘れて「天稚彦」と名乗るその男と相思相愛の仲になり結婚をし、
何の不自由も無い幸せな暮らしを送る事となります。

それから暫く経った日のこと、妻は夫からこう告げられます。
「実は私は海龍王。ちょっと用事があり天へ戻らねばならなくなった。
7日で帰る予定だが来なければ27日、それでも来なければ37日を待ってくれ。
それでも帰らなければ、一夜ひさごに乗り天に昇って私を訪ねてくれ。
もうひとつ…これを開けてはならない。開けたら私は本当に帰れなくなる」
自分の正体を明かした天稚彦は、妻に唐櫃を預けて天に昇っていくのでした。




妻は約束を頑なに守っていたのですが、「あの時怖がって損したわ」など
言いながら妹の幸せを妬んだ姉たちがやってきて、家の中を勝手に物色され
「この箱を開けてはならぬ」の禁忌があっさりと破られてしまいます。
(妹から無理やり鍵を奪って唐櫃を開けてしまう)唐櫃の中には何も無く、
ただ煙が空に立ち昇るだけでした。

そんな事があってから、27日、37日といくら待っても夫は帰りません。
心配になった妻は夫を探しに、言われた通り一夜ひさごに乗り天に昇ります。
星々に夫の行方を聞きながらようやく再会することが出来たのですが、
やっと見つけたと思った夫の口から、衝撃的な一言が。

「私の父は恐ろしい鬼なのです。見つかればあなたは殺されてしまうだろう」

天稚彦は父がやって来ても、妻を扇や枕などあらゆるものに変化させ、
何とか人間がやってきた事がバレないように、誤魔化しながら隠すのですが、
ついには「何か人間臭いぞ…」と鼻のいい父に発見されてしまいます。
「人間と結婚だと?!そんな事は絶対に許さん!」と激怒する父。
天稚彦は妻を必死に庇います。

「人間よ、俺の出す問題をクリアしたら息子との結婚を許そう」

・千頭の牛を面倒見ろ。昼は野に放ち、夜は牛舎に入れておけ。
・蔵にある千石の米を即刻別の蔵に移せ。一粒足りなければ探し出せ。

…などいう無理難題を妻は、天稚彦の父からふっかけられるのですが、
夫の助けによりこれらの難題を次々にクリアしてゆくのです。
百足の蔵に閉じ込めても蛇の蔵に七日閉じ込めても、無事に還ってくる。
これには鬼である父も流石に感心。結婚を認めざるをえません。

「こうなっては仕方が無いな、月に一度なら逢うことを許してやろう」

鬼のこの言葉を、妻は「お義父様が一年に一度と仰るならばわかりました」
と聞き違えてしまいます。鬼は「ああ、ならば一年に一度だ」と持っていた瓜
を地面に叩きつけ、二人の間を隔てる川を作りました。この川が天の川となり、
二人は年に一度の7月7日のみに逢えるようになったのです。




------------------------------------

いかがでしたか?
これは日本にいくつもある七夕の物語の内のひとつです。
中には『天女の羽衣』に似た話も七夕の物語として残されています。
知らなかったという人も、こんなむかしむかしの物語に一度目を向けて
みては如何でしょう。意外な発見があるかも知れませんよ。

余談です
鬼が天稚彦の嫁に苦難を押し付ける場面は、古事記のスサノオと、
葦原色許男神(後の大国主)のエピソードに似ているなぁと思いました。
あちらは嫁に助けられていますけれど、苦難の内容と助かる方法が両方共
そのまんまな感じ。この共通点は非常に興味があります。(記事:©SERUNA)


ブログ応援にランキングボタンや拍手をポチっと押して
いただけたら嬉しいです。いつもありがとう♪( ´ ∀ ` )ノ

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
関連記事
テーマ:ブログ
ジャンル:ブログ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック