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2021年02月16日 (火) | 編集 |
富士宮市の内野地区に「足形」と呼ばれる地域があります。
つい最近「珍百景」で知ったのですが、こんな昔ばなしが
残されているという事を知って少し興味を抱きました。

静岡に住んでいるというのに、県内にはまだ私が知らない
お話が沢山あるな。他にも色々知りたい。

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【鬼のいない村】
昔々、富士山の西の麓の岩穴に悪い鬼が住んでおりました。
この鬼は夜になると白糸の滝近くの村に出てきては野や田畑を
荒らしたり、女子供を攫ったり盗みをはたらいていたので、
たいそう人々に恐れられていました。

ある冬のことです。
この村に「冶兵衛(じへえ)」という凄腕の猟師が住んで
いたのですが、冶兵衛が天子ヶ岳まで猟に行った帰り、
内野村の寄合に立ち寄り、夜遅く村に帰ってきたところ…
村の入り口の橋に差し掛かった向こうの闇の中に、
大男が立っている事に気付きました。冶兵衛は男に向かって
「誰だ!」と叫びましたが返事をする様子もありません。
しかし、冶兵衛が目を凝らしてよく見ると何とその大男は、
村人に恐れられていたあの鬼だったのです。
冶兵衛は咄嗟に鉄砲を構えて火縄の用意をしました。
鬼が襲い掛かろうとしたその時、冶兵衛は鬼めがけ引き金を
引きました。

ズドーーーン!!

鉄砲玉は見事、鬼のお腹に命中。鬼は「ウォォォォー!」
と唸り声をあげ、大きな音を立ててその場に倒れました。
冶兵衛はそれを確認すると振り返りもせず家に帰り、
しっかり戸締りをしたあと布団に潜り、ただ夜が明けるのを
待ちました。腹を撃たれた鬼はゆっくり起き上がると、
傷を押さえながら岩穴の方へと帰って行きました。

鬼は、傷を負いながら、棲家に帰る途中で寺を見つけます。
寺の扉を叩いて和尚を起こすと、腹の傷を和尚に見せ、
「傷を治す薬が欲しい」と身振り手振りで頼んでみせました。
和尚は、こんな鬼を生かしておいては村のためにならないと
思いながら「ちょっとそこで待っていなさい」と鬼を待たせて
奥へ入っていくと、何かを持って再び戻ってきました。
「これは大変よく効く傷薬だ。帰ったあとこれを傷口に詰め、
火をつけて温めるとすぐに治るから持っていきなさい」
…そう教えて鬼にそれを手渡しました。

棲家に帰った鬼は、早く治したい一心で和尚に言われた通り、
渡された薬を傷口いっぱいに詰めました。
傷口に火打ち石で着火させたそのとき…

ドカン!!

和尚から薬だと渡されたそれは、実は火薬だったのです。
火薬を体に詰めて火をつけた鬼はバラバラになって、
跡形もなく吹き飛んでしまいました。
こうして悪い鬼がいなくなり、村には平穏が訪れました。
この村では鬼がいなくなったので、節分に豆まきをする風習が
なくなったという話です。

今なお、冶兵衛が鬼と出遭った「鬼橋」が残され、
鬼の足跡が残る場所は「足形」と呼ばれているそうな。

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SERUNA:「めでたしめでたし♪」
旦那:「いやいや、その終わり方は穏やかじゃないなw
   人間側としてはめでたしだけど、和尚が怖いw」
SERUNA:「和尚、ナチュラルに鬼畜だよね」

ちなみに確認はできませんけれど内野地区には、
鬼を撃った冶兵衛さんの子孫が現在も住んでいるらしい。
どうでもいいけど爆散する程って、鬼さんいったい、
どんだけ体に火薬を詰め込んだんだよとツッコんでみる。


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テーマ:静岡県
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